
テスラが今年日本で発売予定だった300万円
以下のEV車発売を延期した。
一方、中国、ヨーロッパなど急速にEV車比率を
目指す国もある。はたして今EV車を買う理由が
あるのか?
電気自動車、戦前には日本やアメリカなど
タクシーとして様々な国で販売されていた。
しかし、バッテリーの安定性や航続距離など
エンジン車に遠く及ばない信頼性の無さ。
技術が劣っていて実用化には至らず。
乗用車としての発売はまだまだ早すぎた。
戦後の日本は景気浮上と共に国産車が
技術力を発揮してきた。そしてアメリカさえ
抜き去った。
思えばプリウス発売時のキャチコピー
「21世紀に間に合いました」は開発者
の低燃費車開発への情熱を感じます。
1997年の初代プリウス発売から25年
世界的な潮流がEV、電動化に注目が
集まっています。
そもそもこのEV車がこの様な世界的
流れを生み出したのは何故でしょう?
やはりテスラの存在です。
テスラのEV開発では、ユーザーファースト
視点が徹底されている。
まず顧客がEVを買わない理由を探し
ひとつずつ問題点を消しています。
EV車を一番購入しない理由?
それは航続距離でした。
日産リーフが発売されたとき1回の充電で
160kmまでしか走れませんでした。
しかし、テスラは航続距離が480km以上の
モデルだけを製造しています。
次にEV車の問題点は充電です。
出先で充電が気軽にできないとかなり
ストレスです。
テスラは北米だけでも2500ヶ所、2万台
以上の充電スポットを自前で作りました。
テスラ標準の大画面で、充電場所や空き状況
など一目で分かる。
遠出する場合、または目的地にたどり着く
ため充電が必要な場合、行き先までの
ナビゲーションで充電ステーションに
案内してくれます。
そしてガソリン車と比べ一番問題視するのは
給油時間にあたる充電時間でしょう。
テスラはスーパーチャージャーで10分間
約240km分の充電ができるスポットを
豊富に持っている。
最も速い充電スポットでは30分で約480km
ほどの充電ができるらしい。
またテスラの戦略は充電時間の活用も解決済。
充電スポット情報にはカフェやレストラン
スーパーなどの近隣施設の有無も表示されます。
例えば、スターバックスの駐車場には
充電ステーションがあり、コーヒーを買ったり、
みんなでカフェタイムを楽しむわけです。
シニアの映画好きなら充電中は車内の
大画面でネットフリックスを視聴したり
Ipad以上の大画面で通信ゲームなど自宅と
変わらない車内となります。
成功の鍵は問題点を潰してきたテスラの
周到な戦略にありそうだ。
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ところがそれに勝る最大のポイントが
ありました。
それは高価格モデルからの販売にあった。
プレミアムモデルで富裕層をキャッチ。
その後、量産型モデルの販売展開を
することでした。
一般的に低価格モデルから発売し状況
を見てから順次プレミアムモデルを
売り出すのものだが
テスラの打ち出した戦略は
ドライバーの目的、総走行距離、加えて
テスラのブランディング戦略にある。
それは口コミマーケティングを活用
したSNSを積極的に活用するものだ。
つまり顧客体験を第一すること
それは高付加価値のあるクルマと言う意識
付けに繋がり大成功した。
テスラはレクサス、ベンツ、BMWなどの高級
ブランドと同等、もしくはそれ以上と言う
ステージを得ました。
また安全性能の問題解決には整備工場へ
入庫するのではなくソフトウェアの
ダウンロードで解決しています。
画期的な試みを行い
怒涛の戦略を駆使し創業10数年でテスラの
株価時価総額は7000億ドルを突破。
トヨタ・GMなど大手6社の合計価値を
上回った。
投資家はテスラの価値が圧倒的に高く
まだまだ成長すると判断をしている。
この様にEV化の流れは止まることが
ない。そう見えるが現実は問題もある。
まず電気がどのようして作られるか?
実はEV自動車もゼロエミッションでは
ありません。
太陽光や風力など再生可能エネルギーや
原子力だけで発電するのであれば排出ガス
は事実上ゼロになります。
しかし、現在日本の発電量の84%は火力発電。
これは、排気管からCO2を出さない代わりに
発電所で出すことに等しい。
ZURICH自動車保険のデータではEV車が
CO2排出量低減にどの程度貢献するのか?
ハイブリッド(現行プリウス)と電気自動車
(現行日産リーフ)を比較しています。
プリウスはガソリン、リーフはEV車で
単純な燃費比較はできませんが、
ユーザーが実際に走って記録した実燃費&実電費
データ(プリウスが22km/L、リーフが7km /kWh)
それを概算すると、CO2排出量は電気自動車のほうが
概ね30~40%少ない、という結果になりました。
結果、日本における電気自動車は一定のCO2
削減効果があるのはたしかです。
それでも急速なEV化に懸念されるのは?
やはり充電の問題なのです。
航続距離を延ばすためには大容量の
バッテリーを必要とします。
現状でも休日に発生する急速充電器の充電
待ちがますます増えます。
それなら自宅で充電は?
自宅では5~8時間はかかります。
急な外出には対応が難しい。
EV車のバッテリー充電に必要とされる電力確保
は大きな課題があります。
現状、日本の電力需給では、EV車が
数万台増えても心配はありません。
数十万台規模でも大丈夫みたいです。
しかし数百万台に達した時は夏場や冬場の
電力ピーク時の電力供給量が追いつかなく
なる可能性があるのです。
EV車を自宅で充電する場合、基本的に
夜間が多い。
そうなると大量のEV車が夜間同時に充電
されれば大量の電力が必要になる。
それは新たな問題を抱えることになります。
長期的には再生可能エネルギーの発電比率を
増やしていくことが必須です。
また、発電コストを低下させる努力も併せて
考えて行く事が求められています。
新しい技術に憧れていち早く誰よりも
早く手に入れたい。
それは私も同じです。
EV車には世界を変える大きな期待が
あります。
しかし、電力供給、充電環境、そして
バッテリーの進化などをしっかりと
確認し試乗してみたい。
その際、エンジンルームでなく
モータールームは開けないでおこう。
まだ感電死したくありません。
ここまでお読みくださり
ありがとうございました。
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